サザエさんの生みの親
先日、用事があって「桜新町」に出かけました。(東京・渋谷から地下鉄で4駅目です。)
通りに出ると、すぐサザエさんの絵が目につき、通りの名前は「サザエさん通り」と、書かれています。
いつか雑誌で見たサザエさんの生みの親・長谷川町子さんの美術館があるのだと気付きました。
とあるお店の前には、サザエさんの大きなボードがありました。楽しい町ですねぇ~。
用事を終え、「長谷川町子美術館」に立ち寄ることにしました。
長谷川町子さんは、幼いころから絵画を見るのも描くのもお好きだったようで、作家名にこだわることなくコレクションされた日本画・洋画・ガラス・陶芸・彫塑などがあり、そのうち一部が美術館に展示されていました。
撮影不可でしたので、ここでご紹介できないのが残念です。
特に鬼灯(ほおずき)の絵には、釘づけになりました。
若いカップルの会話が聞こえてきました。
「あれ、写真だよ!」
「違うわよ。絵なのよ。」
「どう見ても写真に見える。」
「そう見えるだけ。」
「しっかし、すっごいなあ~。」
その会話を聞きながら、私も同感。
その他、「秋映ゆる(林の中の鹿)」や「紅葉の仏閣」等、まじまじと眺めてしまいました。
サザエさんを描いていただけではなかったんですね。
サザエさんを描ける背景には、見る物に対する感動と特別のセンス、美しいものに対する思いがあったんですね。
今回、初めて長谷川町子さんの生い立ちを知りました。お父様を早くに亡くして、お姉さんの毬子さんとともに10代のころから一家を支えてきたというのです。九州からたびたび上京される時は、満員電車に窓から乗り込み、窓から降りるというような時代だったそうです。
掲示されてあった生い立ちを読みながら、苦労されていたことがわかりましたが、暗い感じが全くしないのです。ここが素晴らしいですね。
初代サザエさんの画は、少しずつタッチや趣が変わってきた遍歴も見ることができました。これもまた、おもしろかったです。
絵をリアルに描くことができる人の感性というのは、すごいものだと改めて感じました。
対象物の本質を目と心でしっかりと認識をし、また表現できる感性、というのは私には真似できませんが、私が見習うことができるのは、自分が感動したもの、素晴らしいと感じたものを追求して自分の世界を広げていくこと、それを人々に伝えていくこと ! そう、感じました。
記念に、サザエさんクッキーを買ってきました。
楽しいひと時でした。
投稿者:高井貴容 更新日:2013年9月19日