クリスマスツリーに使われる「モミの木」と言われる樹木は、実に様々な種類があります。
(写真 BOTANICAより転載)
個体種の「モミの木」であったり、マツ科モミ属の総称であったり、
更には樹形の似たトウヒの仲間も「モミの木」と呼ばれることがあったり。
「モミ」以外にクリスマスツリーに背の低い「ゴールドレクレスト(ヒノキ科)」もよく見かけますね。
「モミの木」と言われるこれらの樹木の香り成分は、それぞれ異なるんですよ。
①個体種の「モミ」を指す場合 「ホンモミ」
②マツ科モミ属を指す場合
・ウラジロモミノキ Abies homolepis
・もみの木「ホンミモ」Abies firma
・トドマツ Abies sachalinensis
・シルバーモミ Abies alba
・バルサムモミ Abies balsamea
③マツ科トウヒ属を指す場合
・ドイツトウヒ Picea abies
・エゾマツ Picea jezoensisjezoensis
・コーカサストウヒ Picea orientalis
・コロラドトウヒ Picea pungens
④ヒノキ科イトスギ属
・ゴールドクレスト Cupressus macrocarpa ‘Gold Crest’
この中の「トドマツ」は、北海道から千島列島に分布しています。
(写真 BOTANICAより転載)
この樹木から採取した精油は、私たちの睡眠にとても有用に働くことがわかってきました。
滋賀大学倫理審査委員会や
NTT東日本およびブレインスリープ実施の「睡眠新規事業創出プログラム」の報告によると━
トドマツの香りにより、
「入眠潜時および睡眠中の中途覚醒時間が減少し、睡眠効率が高い傾向が認められた。」
とのことです。入眠障害や中途覚醒が気になる人にオススメということですね。
「トドマツ」は、花粉症改善にも使われており、認知機能改善の可能性なども期待されているとのこと。
注目していきたい日本産精油ですね。
ちなみに、私は、
「トドマツ」と「ウラジロモミノキ」の精油を持っていますが、同じモミでも全く異なる香りです。
●「トドマツ」は、穏やかな香り。
●「ウラジロモミノキ」は、スースーする香りです。
その時の気分や、期待したい目的に合わせて、うまく使い分けたいものです。
【参照】
・BOTANICA
・樹木由来の香り物質が高齢者の主観的睡眠感および睡眠変数に及ぼす影響
・トドマツの香りで入眠改善。NTT東・ブレインスリープが睡眠新規事業創出プロジェクト
・クリアフォレスト
投稿者:高井貴容 更新日:2021年12月24日
沖縄から来社されたお客様に、「シークワーサー」をいただきました。
「シークワーサー」といえば、私の頭の中では ノビレチン=認知症予防 を連想します。
●認知症予防には、シークワーサーの「ノビレチン」成分
「ノビレチン」という成分のことを知ったのは、日本のハーブの講座で「橘(たちばな)」について学んだ時です。
この「日本橘(大和橘)」を絶やさぬよう、奈良県(大和郡山市)や静岡県(沼津市戸田地区)で゙栽培や育成などの活動が行われています。
「日本橘(大和橘)」の注目すべき成分が「ノビレチン」なんですね。
「シークワーサー」にも多く含まれています。ともにミカン科の果実です。
特に果皮に多く含まれているそうです。
今のところ、シークワーサーの方が入手しやすそうですね。
「ノビレチン」を研究している東京薬科大学の指田豊教授や禹教授、東北大学の大泉康教授などのデータから様々なことがわかっています。
・抗認知症効果
・がん抑制効果
・血糖値上昇抑制
・慢性リウマチの予防・治療
・抗肥満効果
・美白・美肌効果 など。
いただいたシークワーサーで、思いつくものを作ってみました。
ポン酢、すし飯、マヨネーズ、ドレッシング・・・。
●認知症予防には、良質な睡眠
あまり睡眠時間が取れていない人、睡眠の浅い人などは、
脳内に「アミロイドβ」というタンパク質が沈着し、それがアルツハイマーの引き金となると言われています。
アルツハイマー病は、認知症の中で最も多いとされています。
若いころの睡眠不足は、年齢を重ねてからこのような形で現れることもあるので、要注意です。
※ノビレチンには、アミロイドβの沈着を減らす働きがあるそうです。
また、既に記憶障害が進行している場合も、改善させる働きが示唆されているそうです。
【参照】
●ノビレチンとは┃抗認知症機能性食品開発部門┃東北大学 (tohoku.ac.jp)
●シークヮーサーに注目の成分「ノビレチン」~排尿や肝機能、糖・脂質代謝などが改善 (2018年6月18日) – エキサイトニュース (excite.co.jp)
投稿者:高井貴容 更新日:2021年12月20日
「アントロポゾフィー医学」は、約100年前にシュタイナーとイタ・ベークマンによって創設された医学。
100周年を記念してZoom講座が開催され、多くの治療家の皆様の話を聞くことができました。
ここでは詳しく書ききれませんが、治療にあたる方々は、皆、共通した人間観をベースに患者さんに最適なケアを選択され温かく施されているのがお話から画面から伝わってきました。
アントロポゾフィー医学は、現代医学を基礎としながらも、体だけでなく、精神、魂の働きまでに拡大した視野で医学を考えています。「人間性の回復と発展」が目指すところです。ホリスティックな見方ですね。
その人間観とは━
人間を肉体(物質泰)のレベル、生命体(エーテル体)のレベル、感情体(魂体・アストラル体)のレベル、自我という4つの構成要素からできていると考えます。
人体の3つの機能━
人体を頭部(神経感覚系)、胸部(リズム系・呼吸循環系)、腹部・四肢(代謝・四肢系)という3つに分け、各機能の働きが良好かどうかを診ます。
それぞれの働きのバランスが崩れると、病気になると考えます。
その治療とは━
医師・薬剤師による薬の処方が独特です。がん患者には、ヤドリギ製剤等。
そして、看護師によるケアも独特。ヤロウというハーブの温湿布とか、リズミカルアインライブングというオイルトリートメントが代表的です。
最大の特徴は、治療に芸術療法があることかと思います。オイリュトミー、絵画造形療法、音楽療法など。
病気でなくとも健康を維持するためのケアとしても有効なんですよね。
私も、今までにいくつかのものを体験しました。
●リズミカルアインライブング●
自分に合ったオイルを使用して皮膚に圧をかけないで流れるようにトリートメントしてもらった後は、身体全体をシーツで包んでもらい30分程静かに横たわります。
かつて、アロマトリートメントをクライアント様に施した経験がある私としては、どう違いがあるのだろう?という興味もあり受けてみました。
当時の私は、クライアントさんがリフレッシュできますようにというような気持で取り組んでいたのですが、この時の看護師さんは、私の身体を癒すとともに、自分自身を取り戻すことができますようにという気持ちを込めて施術してくだったように感じました。最後のシーツに包まれた30分もとても豊かな時間でした。
写真は、横浜の「すみれが丘ひだまりクリニック」のセラピールーム。
●オイリュトミー●
心身に調和をもたらす運動芸術療法で、社会芸術・治療・教育の分野などで実施されています。
母音や子音の動きを繰り返し行うことで、血液循環や呼吸、代謝の働き、更には心や精神の状態を整えていくというセオリーのもと考案されたものです。つまり、オイリュトミーをすることで生命力や自己治癒力を高めることに繋がるわけですね。
これを体験する前に、母音と子音の動きをして生命力が高まるってどういうこと? と不思議に思っていましたし、正直、なんかつまらないんじゃないのかな? と思っていました。しかし、本格的に体験する機会が何回かあり、納得!
母音、子音~云々という説明にとらわれすぎていた自分に気づきました。
音や言葉を心身に落とし込むと、躍動感を感じたんですよね。これが ‘生命力が高まる’ というものかっ!という感じでした。
写真は、那須の奏身舎で体験した時の風景です。
●絵画造形療法●
写真は、‘ぬらし絵’ です。
画用紙を濡らしてその上に絵具で描きます。
青・黄・赤の絵具を使って描きます。私、絵画は苦手(笑)
しかし、3色を使って、先生の指導のもと、あまり制限なく描いたので、気がラクでした。
1回だけしかトライしてませんが、このようなことを継続することによって治療になるなんて、深い世界です。
写真は、那須の奏身舎で体験した時の風景です。
●音楽療法●
音楽療法でよく使われる楽器が「ライアー」という弦楽器です。
その他、打楽器やリコーダーなども使われるそうです。
ホリスティックウェルネスでも、数年前のイベントでリラコスモスさんにお越しいただき、ライアー演奏をしていただきました。。
写真は、イベント前に横浜で初めてリラコスモスさんのデュエット演奏をお聴きした時のものです。
うまく表現できませんが、私が体感した看護ケアや芸術療法はどれも魂に響くような体感がありました。
日本では、受けられるところがまだまだ少ないのですが、広まってほしいものです。
芸術療法を心身のウェルネスのために、今後も体感していきたいと思います。
投稿者:高井貴容 更新日:2021年12月17日