映画「うまれる」
先日、昭和女子大学で開催された‘映画「うまれる」’と‘講演会「死に方から生き方を考える」’に行ってきました。
●映画「うまれる」
映画には、4組の夫婦が登場してきました。
親の愛情をあまり感じないで生きてきて結婚した夫婦、そして出産。出生予定日に息をひきとった赤ちゃんを産み落とした夫婦。障害児とわかっていても産み、育てている夫婦。不妊治療をしてもとうとう子どもを授かることができなかった夫婦。
それぞれの苦悩、葛藤、喜び、そして自分の人生を受けとめて生きている、そんな場面が映し出されました。
現在の日本の人口1.3億人 世界の人口66.7億人。
こんなにも多くの人々の誕生にまつわるドラマがあるんですね。
自分は、どんな風に生まれたのだろう? 映画を観ながらそんなことが頭をよぎりました。
たまたまこの日、映画が始まる直前に母親から電話がありました。
「宅急便を送ろうと思うけど、○○と○○入れとくから。○○はどうする? 」
いつものように細かく聞いて来るのです。おいしい食べ物は今どこでも買えるのに、送ってやりたいというのが親心なんでしょうね。
「お父さんが、聞くこといろいろ言ってたけど、あと聞き忘れたことはないかな? ええっと・・・? 」
今度、実家に帰ったら、自分や妹がお腹の中にいた時のこと、生まれた時のこと、幼かった時のこと、改めて聞いてみようと思いました。
● 講演会「死に方から生き方を考える」
このイベントに申し込んだ時の講演のタイトルは「死に方から生き方を考える」だったのですが、実際のお話の内容はちよっとずれていました。私としてはちょっと残念でした。人生の半分を生き終えた私としては聞いてみたかった内容です。でも、さすが僧侶さん、素敵なお話が聞けました。(講師は、真言宗の大栗僧侶。)
「‘朝’という字は、何を意味していると思いますか? 」そんな質問から法話は始まりました。
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答 : 十月十日が一文字になった漢字。
この世にオギャーと生まれたその瞬間をその人の‘朝’と言うのです。
こんなこと、今まで全く気がつきませんでした。漢字というのは、本当に意味深いものです。違う見方をすれば、新しい自分が24時間ごとに生まれているという解釈もできますね。そんな気持ちで毎朝を迎えたくなりました。
このほか、3歳、5歳、7歳の意味、躾というもの、人は誰かのお陰で生きているということ、人はそのひとの運命を成就するために生まれてきたなど、丁寧にわかりやすく伝えていただきました。
そして最後の締めくくりのメッセージは・・・
「人間は、いつか幸せになるのではなく、今ここに生きている幸せがあるのです。 人として人間として、丁寧に生きてゆきたいものです。」
弊社の社名の一部である「ウェルネス」には、‘その人の可能性を最大限に追求する’という意味がありますが、先にだけ幸福があるのではなく、この世に「生」を受けたことに感謝し、それに応えていくという日々の丁寧な生き方自体に幸福が宿っていることを忘れてはいけないと再認識しました。
「うまれる」という映画は、通常の映画館では上映されておらず、自主上映という形で各地で上映されています。老若男女、人生のステージは違っても誰にでもお勧めの映画です。ちょっと足をとめて、「生」というものを見つめるのもいいですよ。今回のように何らかの講演が同時開催されることもあるようです。
投稿者:高井貴容 更新日:2011年12月12日