映画『ミツバチの羽音と地球の回転』
この映画は昨年12月に観て、ご縁のある方々にもお伝えしたいとずっと思っていた映画です。
原発建設計画が進む祝島の島民の生活を中心に、地域自立型のエネルギーを作りだすスウェーデンの取り組みを紹介したドキュメンタリー映画です。
瀬戸内海に浮かぶ祝島に原発建設計画が持ち上がって28年が経ちます。島民は自然の恩恵を受け漁業や農業で生計を立てています。そこへ原子力発電所が建設されてしまったら、どんな弊害が考えられるのでしょうか?海水の温度が上がって、生態系に影響は出ないのか? CO2の排出はどうなのか? 環境への負荷により産業への影響は出ないのか? 等々。島民の長年にも渡る阻止行動にも関わらず、着々進められていく原発計画。祝島の未来はどのようになっていくのでしょう? 原発重視かつ電力独占体制の日本のエネルギー対策は、電力源を自分で選択できるスウェーデンに近づいていけるのでしょうか?
利便性を追求するあまり、自然環境や人々の暮らしを破壊していく社会であってはならないと思うのです。進歩した科学技術を人・動物・植物などが共存していける持続可能な社会創りのために活かしてもらいたいものです。
映画全体はとっても素晴らしいものでしたが、唯一残念なことがありました。それは、太陽光発電や風力発電に切り替えると、全ての問題が解決すると思わせるような終わり方になっていた点です。実は、それらにも問題が残されているのです。たとえば、太陽光発電であれば、①施工の仕方によっては有害電磁波が生じ、住人の体調に害を及ぼす ②屋根と太陽光発電パネルの間にハトが巣を作る ③不慣れな業者が位置を間違えて釘を打ち込んだ結果、防水シートを突き破り雨漏りが起きる ④落雷による被害が多い・・・等。また、風力発電についても低周波振動による健康被害などの問題が、昨今取り上げられることもあります。これらの問題をクリアにしたうえで、新しい良質なエネルギーへ移行できるのがベストですね。
東京では、2011年2月19日~3月11日まで渋谷のユーロスペースで上映されます。また他の地域での上映予定も発表されていますので、是非ご覧になってみてください。
http://888earth.net/theater.html
投稿者:高井貴容 更新日:2011年2月19日