講座報告「質の高い睡眠と“脳力向上”」
‘良質な睡眠は、健康と美にとって不可欠なもの’ということは、誰もが感じていることとは思います。
この度、睡眠のスペシャリスト宮崎総一郎先生をお招きし、「質の高い睡眠と“脳力向上”」と題して、最新の睡眠研究の徹底解説をしていただきました。
宮崎先生は、耳鼻科医時代、ダウン症のお子さんの呼吸を深くするための手術をされたそうです。
それによって体型が整い、睡眠中の呼吸が深くなると共に成長ホルモンの分泌が高まり、成長に寄与したことを目の当たりにご覧になったそうです。
これをきっかけに、睡眠の研究を始められたとのこと。
「寝る子は、育つ!」とは、正にこのことですね。
まずは、睡眠時間のお話。
7時間くらい寝ている人が、最も死亡率が低いというデータを見せていただきました。
短すぎても、長すぎてもダメ。
健康若者の睡眠を6日間、4時間にした実験では、以下のような結果となったそうです。
・交感神経の緊張 ・耐糖能は高齢者並みに低下 ・コルチゾール分泌亢進
↓
免疫力が下がり、糖尿病を招いてしまいますね。
また、短時間睡眠は、肥満や高血圧を引き起こすというデータも見せていただきました。
今回は、特に「睡眠と脳」のお話。
・照明と睡眠
・しっかり睡眠をとっている子供 VS 睡眠不足の子供
(三角がうまく書ける、書けない)
・若い頃、良質な睡眠をとっていない人は、認知症のリスクが高まる 等。
私が特に気になったのは、脳細胞を使うと、その過程で有害なタンパク質の老廃物が生じ、この老廃物が除去できないと、認知症につながっていくという事実。
じゃあ、どうすればよいかというと、しっかり睡眠をとって脳を休める必要があるんですね。
いただいた資料の中に、とても素敵な挿絵がありました。
お花にリズムがあるように、ヒトや動物にも体のリズムがあります。
こちらには、ほんのちょっとしか報告できていませんが、
他にも様々な資料、データを提示していただき、盛りだくさんの講演となりました。
‘夜の新幹線の照明は、睡眠に害になる’ということで、先生はゆっくり休憩されることなく、ご自宅の滋賀県へと戻られました。さすが!
この日、私を含め宮崎先生のお話を聴講した人たちは、「睡眠推進員の証」というカードをいただきました。
知っているようで知らない「睡眠力」!
いっぱいデータを見せていただいて、いかに睡眠が人体に及ぼす影響が大きいか、再認識しました。
宮崎先生が理事長を務められている(社)日本睡眠教育機構(JSES)という組織があります。
こちらで運営している「睡眠健康大学」というWEBページがあります。
http://sleep-col.com/
そちらにも、いろいろと情報が掲載されているので、講演に参加できなかった人は、是非参考にしてください。
投稿者:高井貴容 更新日:2017年2月3日