映画『100,000年後の安全』『レイチェル・カーソンの感性の森』
東日本の原発震災を契機に、渋谷アップリンクにてドキュメンタリー映画『100,000年後の安全』が半年前倒しで緊急上映されると聞いて、さっそく観に行ってきました。
原発から生まれる放射性廃棄物の放射能レベルが生物に無害になる までには、最低10万年を要すると考えられているらしい。現在、高レベル放射性廃棄物の最終処分場は日本を含めて世界中にひとつもなく、フィンランドは、世界で初めてその永久地層処分場「オンカロ(隠された場所)」の建設を決定した国で、その施設に世界で初めてカメラが潜入したドキュメンタリー映画です。
現在、私たちは「原子力発電」の恩恵を受けて安定した電気等のエネルギー使うことができています。安全で持続可能な社会の発展が見込めれば、そのエネルギーも大変価値あるものだと思いますが、今回の震災で見るように放射線廃棄物を安全に処理することが大変難しいのであれば、それらを使い続けていくことに誰もが疑問を抱くのではないでしょうか。果たして、10万年間も安全に人類が管理できるのでしょうか?
原発は停止していく方向で、節電と代替エネルギーを取り入れていく方法を選択することが人類にとって必要不可欠だという結論に達します。
では、専門家でも政治家でもない私たちは何をすべきか? と問われれば今すぐに完璧な具体的な行動指針があげられませんが・・・
節電だけでとどまるのではなく、エネルギーのことを今以上に熟知し、行政に訴えかける行為、安全なエネルギーを積極的に選択することが早急の課題だと思います。個人改革を社会改革につなげていかなければ、未曽有の災害にあわれた方々にも申し訳ない!
映画終了後には、アップリンクの代表・浅井氏が、観客からコメントを受ける時間もありました。九州からたまたま上京してきていた女性は、「地元に原子力発電所があり、そのような地域では原発反対と思われるようなイベントなどは開催できない風潮がある。この映画を皆に見てもらいたいがどうすればよいか?」という質問をしていました。それに対して浅井代表は、「WEBを通して有料で映画を観れるように検討したい。」と述べていました。
4月後半は、上映回数を増やすとのことでした。そして、5月には、映画の関係者が来日する可能性があるとのこと。ぜひ、ご覧になってみてください。
今日は、立て続けに『レイチェル・カーソンの感性の森』も観てきました。レイチェル・カーソンは、『沈黙の春』という書籍で、世界で初めて化学物質の危険性を告発した女性です。この映画は、書籍『センス・オブ・ワンダー』を映画化したものです。
いつの世も、社会の動きに反して真実を初めて語る人に対しては、迫害があるものです。女史も、ベストセラー作家としてのキャリアを重ねる一方で、プライベートがなくなり、一部のメディアや化学薬品産業からの批判にさらされ、苦難の日々を送ったようです。私たちは、この勇気ある人のおかげで真実を知り、知恵をいただいています。
自然と共生する生き方、持続可能な社会を目指していきましたょう !
http://www.uplink.co.jp/top.php
投稿者:高井貴容 更新日:2011年4月3日