講座報告『‘’家じまい‘’と生前整理』
先週開催しました講座「家じまいと生前整理」の報告です。
今回の冬から春に向けての講座のテーマが「40代からはじめる明るい終活」となっています。先日開催分は、その基調イベントではありましたが、来年講師をしていただく方にも少しお話いただきました。
●家じまい by 木村真宏氏 「家じまい」とは、シニア層が終活で家を売却すること。
一人住まいあるいはご夫婦だけでお住まいの場合、検討する必要がありますね。
不要な家を相続させる前に処分して、老後の費用を元気なうちに補填するメリットや留意点などについてのお話がありました。
社会的背景としては、「2022年問題」&「2025年問題」が深刻。もう目前です!
「2022年問題」とは、生産緑地に関する問題。
ここでは詳しくは割愛しますが、地価の下落が懸念されています。
「2025年問題」とは、超高齢化社会の到来のことです。
3人に1人が高齢者(65歳以上)、5人に1人が後期高齢者、10人に1人が認知症。
そうなると、空き家率が20%を超え、今より多くの不動産が売りに出され、それとは逆に家を買う世代人口は、どんどん減っていきます。
今のうちに売却したほうがいい物件とはどういう物件かのお話がありました。
現在の空き家は、10,000戸、10年後には20,000戸(3軒に1軒)と予想。全国の市町村別(都内は区別)に売りたい人が多い地区のデータを拝見しましたが、データがあるということは、社会問題ということですね。
「家じまい」から始めるセカンドライフ
~選択肢&なすべきこと~
(自宅介護の場合は、介護サービス内容の確認が必要ですね。)
↓
・駅近のマンションに越す
・子供たちと同居する
・老人ホームに入居する
・マイカーを手放す⇒カーシェアリング、レンタカー、介護タクシー
・相続対策(生命保険や家族信託)、相続放棄対策も考えられる
・遺言を残す (特に子供がいない人、内縁関係がいる人)
・生きているうちに形見分け
盲点になりやすいことが2つありました。
1.「ハウスリースバック」という方法があること。 自宅などの不動産を売却して、賃貸で住まうこと。
2.「小規模宅地の特例」事例。 親が死亡した時、3年以内に売却すると、税金がゼロでも4年以降だと1,500万円以上の支払い。
●生前整理 by 松井麻律氏
孤独死で日数が経過した家や、空き家になった家を訪問することもあるという松井さんから、その様子をお聞きすると共に、写真も見せていただきました。
マスクをして掃除をする姿、すごい荒れている室内でしたね。空気の入れ替えをしない室内は、屋根が落ちたり、空き家は、動物の糞尿だらけだ。
部屋の中の物を整理すると、爪切りがたくさん出てきたり、賞味期限切れの食品、果実酒だらけだったり・・・。生前整理という意味ではもちろんのこと、私たちの暮らしにおいて、日頃から物の整理をする必要があるということをお話を聴いていて痛感しました。
身内だけでは、整理しきれない使用しなくなった数々の物、第三者に手伝ってもらい整理するのもひとつの方法です。生前に思い出を聴きながら。
「親に年に会える回数」 × 「残りの年数」
=「残りの人生で親に会える回数」
↓
このお話には、ドキッとしました。涙する人も・・・。
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親・子ともに元気に暮らせしているうちは、終活のことは考えづらいものですが、早めに取りかかった方が良いことも多々あります。次回も貴重なお話があります。多くの方の終活に関わって活動される専門家のお話をお聞きいただき、みなさんの大切な人生にお役立ていただければと思います。
●次回:2020年2月11(火・祝) 13:30~
━死後の葬儀に代わる「生前葬」のすすめ━
数多くの葬儀に携わってきた一言奈津江(ひとことなつえ)さんと、写真を通してライフストーリーを製作する志甫 直哉さん(しほなおや)のお話です。
詳細:http://holistic-wellness.jp/event/studymeeting/2020-2-11.html
※懇親会時に生前葬の進行手順をご覧いただけます。
投稿者:高井貴容 更新日:2019年12月23日